打刻時刻とPCのログオン・ログオフ時刻を照らし合わせると、退勤打刻後もPCが使われていたり、出勤打刻より前にログオンしていたりすることがあります。こうした差は打刻忘れや機器の設定によっても生じるため、記録だけで残業と決めつけることはできません。
一方、差を放置すると、打刻後の業務や始業前の準備が把握されず、賃金不払残業につながるおそれがあります。ここでは、差が生じる原因と確認の流れ、勤怠管理システムで把握を支援する方法を紹介します。
出勤打刻の前にメールを確認したり、退勤打刻の後に資料を仕上げたりすると、打刻時刻とPCログに差が生じます。残業の事前申請を忘れた場合や、上司への遠慮から退勤打刻後に仕事を続けた場合も考えられます。
業務の指示や黙認の有無を含め、実際に指揮命令下で働いていた時間を確認することが大切です。申請や承認がなかったという理由だけで、実際に行われた労働を集計対象から外さないようにしましょう。
ログオンしたまま休憩した場合や、業務終了後にPCを終了し忘れた場合にも、打刻との間に差が出ます。自動更新や遠隔接続など、実際の作業とは異なる理由でログが記録される可能性もあります。
ログの種類によっては、操作していない待機時間や複数端末の利用を正確に判断できません。PCログは確認の手がかりとして扱い、本人の説明や業務記録と合わせて実態を判断します。
会議、電話対応、清掃、現場作業などは、PCを使わずに行うことがあります。業務の開始後にログオンしたり、PCを閉じた後に引き継ぎを行ったりすれば、実際に働いた時間の一部がログに表れません。
在宅勤務でも、会社支給端末以外を使うケースや、端末を使わずに資料を確認するケースがあります。PCログだけで労働時間の全体を確定しないことが、適正な管理の前提です。
まずは勤怠データとログの対象者、対象日、時刻の対応を確認します。共有端末や複数アカウントを使っている場合は、ログが本人のものか確認が必要です。端末やシステムの時刻設定がずれていないかも調べます。
出勤打刻より前のログオン、退勤打刻後のログオフなど、どちらの時刻が何分ずれているかを整理します。日またぎ勤務では、翌日のログを別勤務と誤認しないよう、勤務に対応する日付も確認しましょう。
差が確認できたら、本人に当日の業務内容、開始・終了時刻、休憩や私用の有無を尋ねます。必要に応じて上司にも、業務指示や対応状況を確認しましょう。メールの送受信や入退室記録なども補助資料になります。
確認時は、申告者を責めるのではなく、事実を安心して申告できる聞き方を心がけます。サービス残業の背景に業務量や申請しづらい雰囲気がある場合は、記録の修正だけでなく原因への対応も必要です。
確認の結果、記録されていない労働があった場合は、実態に合わせて勤怠を補正します。修正理由、確認した資料、承認者を残し、必要な時間外・深夜・休日の割増賃金が給与計算に反映されるか確認しましょう。
締め処理後に判明した場合も、対象期間と差額を確認し、必要な支払いにつなげます。修正して終わりにせず給与まで確認することで、勤怠と賃金の記録の食い違いを防ぎます。
勤怠管理システムにPCログを取り込めれば、従業員ごとに打刻とログを照合しやすくなります。手作業で複数の表を突き合わせる場合に比べ、確認対象を探す負担の軽減が期待できます。
連携を検討するときは、取得できるログの種類や対象端末、データの更新間隔を確認しましょう。勤務日とログを正しく対応付けられるかに加え、在宅勤務や複数端末を使う場合の取り扱いも確認が必要です。
打刻とログに一定以上の差がある場合、本人や管理者に通知する設定が考えられます。例えば退勤打刻後にログが続いた場合に確認を促せば、月末まで待たずに事情を把握しやすくなります。
基準時間は、端末の起動や終了に要する時間、働き方を踏まえて設定します。アラートは調査を始めるきっかけであり、基準未満の労働を自動的に切り捨てるためのものではありません。
アラートを検知しても、確認が担当者任せになれば未対応のまま残ることがあります。確認中、本人回答待ち、修正済みといった状態を管理し、誰がいつ何を確認したかを記録できる仕組みがあると便利です。
ログの取得範囲や保存期間、閲覧権限を定め、従業員にも利用目的を説明しましょう。必要な人が必要な情報を確認できる運用とすることで、労務管理と情報管理を両立しやすくなります。
始業・終業のどの時点で打刻するか、打刻忘れや時間外労働が発生したときにどう申請するかを明確にします。ログの差が出たときの確認手順も共有し、従業員が実態を申告しやすい環境を整えましょう。
承認前の残業を認めないという社内ルールがあっても、実際の労働を記録しない理由にはなりません。申請手続きと実労働の把握を両立することが、賃金不払残業の防止につながります。
特定の部署や時間帯で差が繰り返される場合は、個人の打刻ミスだけでなく、業務量や人員配置、終業後の対応を確認します。締め切り直前の業務集中や、管理者が把握しにくい引き継ぎが原因かもしれません。
差異の件数や未対応の状況を定期的に確認し、改善策の実施後も変化を追いましょう。記録の照合と職場の改善を続けることで、サービス残業の発生を抑えやすくなります。
差異の確認では、データそのものが正しく収集されているかも重要です。端末がネットワークに接続されていなかった日や、ログ収集の対象外となる端末を使用した日には、実際の操作が一覧に反映されない場合があります。
対象者や端末の登録状況、時刻設定、連携エラーを定期的に確認しましょう。ログがないことだけで作業がなかったとは判断しないことが、確認漏れを防ぐポイントです。
多くの従業員を管理する場合、一定時間以上の差を通知の対象にすると、確認の優先順位を付けやすくなります。ただし短い差でも毎日繰り返されていれば、積み重なることで無視できない労働時間になる場合があります。
通知基準を設けた後も、部署別の傾向や本人からの申告を確認しましょう。通知されなかった時間も実態に応じて扱うことが重要です。
在宅勤務や直行直帰では、管理者が始業や終業を直接確認しにくいため、打刻手段と業務開始・終了の報告方法を明確にします。PCを使用しない移動先での業務など、ログに表れない作業も想定しておきましょう。
確認のために集める情報は目的に必要な範囲とし、従業員に取り扱いを説明します。勤務場所ごとの記録方法を揃えると、差異の調査も進めやすくなります。
連携を始める前に、どの勤怠データとログを使い、誰が差異を確認し、どの期限で対応するかを決めます。人事部門だけでなく、端末を管理する情報システム部門や現場管理者との役割分担も必要です。
試行期間を設け、実際に検出された差の原因や通知量を確かめてから運用を調整しましょう。検出後の対応まで設計することが、機能を活用するための前提です。
組織変更や端末の入れ替えがあると、通知先やログの取得対象が実態に合わなくなることがあります。導入時に設定して終わりにせず、担当者と対象範囲を定期的に点検しましょう。
未対応の通知が増えている場合は、件数だけでなく、対応に必要な情報が揃っているかも確認します。運用の継続状況を確認することが、差異を見逃さない仕組みにつながります。
ここでは、勤怠管理システムの導入にあたってよくある3つの課題ごとに、それぞれオススメのシステムを紹介します。
※引用元:キンタイミライ公式HP
(https://kintaimirai.jp/)
タップすると各機能の説明が表示されます
「時間帯ごとの要員数」と「人件費予算」を同時に確認しながら、シフトの登録・調整を実施
1ヵ月60時間を超える時間外労働について、代替休暇を取得
指定した起算日に基づき、4週4休のチェックを実施し、必要に応じて休日出勤を割り当て
社会保険・36協定・長時間労働に関して、指定したルールに基づきアラート
振替出勤が発生してから指定期間が経過すると、休日出勤の割増賃金対象の時間数として自動精算
その企業固有の集計方法をきめ細かに設定し、集計を自動化
集計結果を含んだ出勤簿をPDF形式で出力
日々の勤務実績に基づく人件費を計算し、締め日を待たずして人件費を把握可能
従業員のマスタ情報を1ヶ月単位で管理できるほか、CSV形式で一括して取得/編集/登録も可能
社員やバイト、パートといった従業員の属性別にカレンダーを設定できるほか、まるめ・集計機能との連動も可能
登録されたシフトに基づいて、遅刻早退を自動で判定
売上や生産高、処理量などの成果を入力し、その成果と勤務実績を対比させて、折れ線グラフで表示
※引用元:ジョブカン勤怠管理 公式HP
(https://jobcan.ne.jp/)
タップすると各機能の説明が表示されます
リアルタイムでスタッフの勤務状況の確認や拠点ごとの勤怠管理が可能
直感的な画面操作で簡単にシフトを申請・作成が可能
出勤管理機能やシフト管理機能と連動し、複雑な休暇管理を簡単に実施
スマホやタブレットでも、打刻・閲覧・各種申請などが可能
スタッフやタスクごとの工数集計やデータ出力・分析が可能
スタッフの勤務状況を自動集することが可能
時間外労働状を一覧で確認でき、36協定超過がある際は自動アラートでお知らせ
画面上の言語は、英語、韓国語、スペイン語、タイ語、中国語(簡体字・繁体字)、ベトナム語への切り替えが可能
医療現場の勤務形態に合わせた運用が可能
※引用元:マネーフォワード クラウド勤怠 公式HP
(https://biz.moneyforward.com/attendance/)
タップすると各機能の説明が表示されます
日次勤怠、勤怠確認、分析レポート、拠点別打刻集計、カスタム自動集計(数値集計)
役職階層、ワークフロー経路、申請ワークフロー、代理申請ワークフロー、受信ワークフロー
異動予約(役職)一覧、異動予約(就業ルール)一覧
有給休暇の自動付与、有給休暇付与予定一覧、有給休暇管理簿
不正な打刻・打刻漏れ、許可されていない打刻、無効な勤務パターン
打刻ごとの丸め設定、出勤・退勤・休憩の丸め設定、勤怠項目ごとの丸め設定、日ごと・月ごとの丸め設定、未申請の丸め設定、シフト範囲外打刻の丸め設定
従業員データ、日次勤怠データ、有給休暇利用実績、休暇付与データなどのインポート
従業員データ、月別データ、出勤簿データ、出勤簿データ、1ヶ月のシフト表、時間帯別のシフト表などのエクスポート
シフト管理、操作権限設定、ワークフロー通知、マネーフォワード クラウド給与との連携
※選定基準:
・キンタイミライ:Google検索「勤怠管理システム」でヒットした55製品の内、本番開発前のプロトタイプ開発および導入後の無料調整を唯一行っているシステムとして選出(2023年5月16日調査時点)。
・ジョブカン勤怠管理:Google検索「勤怠管理システム」でヒットした55製品の内、必要な機能を選んで価格が決まる製品で、機能が200種類と最も多い (2023年5月16日調査時点)。
・マネーフォワード クラウド勤怠:Google検索「勤怠管理システム」でヒットした55製品の内、一元管理できるバックオフィス業務のシステムが最も多い(2023年5月16日調査時点)。
ここでは、勤怠管理システムを乗り換えるにあたってよくある3つの課題ごとに、それぞれどういう基準でシステムを選ぶべきかを解説いたします。
既存のシステムでは自社のルールに合った管理でができておらず、手作業が発生しているなど、今のシステムに課題を抱えている企業もたくさんいらっしゃることでしょう。ホテル、運輸・倉庫、小売り、飲食といった、一般的なオフィスワーカーとは異なる勤務体系の業種に多いようです。
また企業規模が大きくなればなるほど従業員の雇用形態や労働形態が複雑になる上、高いコンプライアンスを求められることから、大企業を中心に既存システムでは対応しきれなくなるケースも散見されます。
上記のような課題を抱えている企業に必要なのは、「高いカスタマイズ性」を持つ勤怠管理システム。既存システムの機能では解決できない以上、自社仕様に機能を開発/調整してもらうほかありません。
このようなシステムを導入するにあたっては、細かいヒアリングを行った後、エンジニアが機能を調整してくれるため、痒い所に手が届くシステムになるでしょう。その分、既存のシステムよりもコストがかかりますが、従業員規模1,000名~といった大企業であれば 費用感は合うはずです。
機能の充実した勤怠管理システムを入れてはみたものの、運用を始めてみるとあまり使っていない機能があることに気が付くケースです。複雑な機能を用いて厳密に管理を行うというよりかは、選び抜いた機能だけのシンプルで低コストなシステムに乗り換えたいとお考えの中小企業も多いでしょう。
従業員からも、管理者からも直感的に使えないとの声が上がったり、実際にエラーが頻出しているケースもあるようです。
上記のような課題を抱えている企業に必要なのは、「機能を選んでコスパ良く使える」勤怠管理システム。「出勤管理機能」「休日申請機能」だけで良い企業もあれば、「シフト管理機能」も欲しい企業もあるでしょう。
企業の規模や労務管理の方法などによって、欲しい機能は異なるのが普通。機能を厳選することで、従業員にとってもシンプルで使いやすく、経営者にとってもコスパの良いシステムとなるのです。
事業の拡大に伴って従業員は増えるものの、労務管理を行う人数は増えていかず、管理する現場では負担が増える一方。既存のシステムでは勤怠とその他バックオフィスシステムを別々に導入しているため、うまく連携できていないという課題を持つ企業もいらっしゃることでしょう。
ベンチャー企業などにおいては、上場を視野に入れてバックオフィス業務を一気に統制していきたいというケースもあるようです。
上記のような課題を抱えている企業に必要なのは、「バックオフィス業務を一元管理できる」勤怠管理システム。「勤怠管理」だけでなく「給与」「会計」「経費」「人事管理」など、複数のバックオフィスシステムを展開しているシステムから、自社が必要なシステムを組み合わせて乗り換えると良いでしょう。
当然連携することを前提に開発されている為「リアルタイムでの数値同期」などで税理士との連携を行いながら、より効率的にバックオフィス業務を遂行することが可能です。