出勤・退勤時の打刻忘れや、誤った時刻での打刻は、どの職場でも起こり得ます。修正手続きが曖昧なままだと、実際の労働時間が記録に反映されなかったり、誰が何を変更したのか後から確認できなかったりするおそれがあります。
大切なのは、従業員が実態に基づいて申請し、管理者が確認・承認したうえで記録を修正することです。ここでは、打刻修正の基本的な流れと、履歴を残しながら適切に管理するためのポイントを紹介します。
退勤打刻を忘れると、勤務時間が未確定のまま残ったり、システムの設定によって想定外の時間が集計されたりします。出勤・退勤を逆に打刻した場合や、別の日の勤務として登録された場合も確認が必要です。
誤った記録が給与計算に渡れば、賃金や割増賃金の過不足につながります。実際の勤務に合わせて早めに修正することが、正しい勤怠管理の基本です。
従業員が勤怠データをいつでも直接上書きできると、変更前の時刻や修正理由が分からなくなる場合があります。管理者による修正であっても、根拠や承認の記録がなければ、後から経緯をたどることは困難です。
一方で、修正を禁止するだけでは、誤った記録が残ってしまいます。申請と承認を通して修正する仕組みを設け、実態に合った記録へ直せるようにしましょう。
給与計算後に従業員から勤務時間について問い合わせがあった場合、元の打刻、修正内容、承認者が分かれば、確認を進めやすくなります。担当者が交代した場合にも、個人の記憶に頼らず経緯をたどれます。
履歴は不正を疑うためだけではなく、記録の正確性を確かめるためにも役立ちます。変更の理由と判断の過程を残すことで、従業員と管理者の双方が確認しやすくなります。
まず従業員が、対象日、出勤または退勤の区分、実際の時刻、修正理由を申請します。打刻忘れ、誤打刻、直行直帰などの理由を選択できるようにし、必要に応じて補足を記入できると確認が進めやすくなります。
申請は思い出せるうちに行えるよう、日常的に利用する画面から提出できると便利です。予定時刻ではなく実際の時刻を申請するよう、従業員に周知しましょう。
承認者は、申請された時刻と勤務予定、業務内容、他の記録を照らし合わせます。必要に応じて本人や当日の責任者に確認し、入退室記録やPCログなどを補助資料として使うこともできます。
ただし、ログが示す時刻と実際の労働時間は必ずしも一致しません。複数の情報をもとに勤務実態を確認することが必要です。不明な点がある場合は、理由を添えて本人に確認を依頼しましょう。
確認が済んだら、権限を持つ管理者が承認し、修正後の時刻を勤怠データへ反映します。システムによっては、承認をきっかけに自動反映できます。承認前の値が給与計算に渡らない設定も確認しましょう。
元の打刻、変更後の時刻、申請理由、申請者、承認者、処理日時を残します。元の記録を消さずに変更履歴を確認できることが、後から検証するうえで重要です。
勤怠の締め日前には、未申請や未承認の修正が残っていないか確認します。修正が承認された場合も、労働時間や残業時間が再集計され、給与計算へ正しい値が連携されたかを確認しましょう。
締め処理後に誤りが見つかった場合の窓口と手順も決めておきます。締め後の修正と給与差額の確認まで定めておけば、処理漏れを防ぎやすくなります。
従業員には修正申請を行う権限を、管理者には確認・承認する権限を設ける方法があります。本人が打刻記録を直接変更できない設定にすることで、承認を経ない上書きを防ぎやすくなります。
管理者にも必要な範囲だけ権限を付与し、部署異動や退職時には見直しましょう。申請・承認・管理の権限を分けることで、誰がどの操作を行えるかを明確にできます。
直属の上司だけが承認できる運用では、休暇や異動の際に申請が滞ることがあります。代理承認者やエスカレーション先を決め、締め日までに対応できる体制を整えましょう。
申請者本人による自己承認を避けるなど、権限の組み合わせにも注意が必要です。代理承認の条件と責任者を明確にすると、統制を保ちながら処理を進めやすくなります。
申請理由が不十分な場合は、確認のために差し戻すことがあります。ただし、承認されていないことだけを理由に、実際に働いた時間をなかったことにしてはいけません。必要な情報を確認し、記録を実態に合わせます。
時間外労働の事前承認がなかった場合も同様です。手続きの不備と労働時間の把握を分けて考えることで、記録漏れや賃金不払いを防ぎます。
勤怠管理システムを選ぶ際は、変更前後の値に加え、申請・承認・差し戻しの日時や担当者を確認できるかを見ます。打刻データの削除や管理者による直接修正も、履歴に残るか確認しましょう。
履歴を検索・出力できれば、対象期間や従業員を絞って確認しやすくなります。誰がいつ何を変更したかを追えることを、画面や出力例で確かめることが大切です。
打刻漏れや未承認の申請を自動で通知できると、本人や管理者が対応を忘れにくくなります。締め日が近づいた際の通知や、承認者が不在の場合の代理承認に対応できるかも確認しましょう。
通知が多すぎると確認されなくなるため、対象や送信先を運用に合わせて調整します。未対応の申請を一覧で把握できる機能があれば、担当者も進捗を確認しやすくなります。
締め後の勤怠を誰でも変更できると、給与計算に渡したデータとの差が生じる可能性があります。締め後は権限を限定し、訂正の理由、承認、再集計の結果を確認できるようにしましょう。
修正履歴には個人の勤務情報が含まれるため、閲覧できる人や保存期間も定めます。訂正できる権限と履歴の閲覧権限をそれぞれ確認し、社内の情報管理方針に沿って運用することが大切です。
修正件数が多い場合は、打刻忘れが多い時間帯、特定の勤務形態、端末の使いにくさなどを確認します。直行直帰や夜勤で手続きが複雑になっているなら、現場に合った打刻方法への見直しも検討できます。
件数だけで従業員を評価するのではなく、修正が生じる背景を把握することが大切です。改善後も傾向を確認し、ルールやシステム設定が実際の働き方に合っているか点検しましょう。
申請が面倒だったり、修正を申し出ると叱責されたりする環境では、誤った打刻が放置される可能性があります。申請方法と期限、困ったときの相談先を分かりやすく示し、管理者にも対応方法を共有しましょう。
必要な修正を速やかに受け付け、確認後は結果を本人に知らせます。正しい時刻を安心して申告できる運用が、記録の精度と従業員の信頼を支えます。
申請期限を決めると、管理者が給与計算までに確認しやすくなります。一方、休暇やシステム障害などで期限内に申請できない場合もあるため、期限後の受付方法や相談先も示しておきましょう。
締め切りを過ぎたことだけを理由に、判明した誤りを放置しないことが大切です。期限後も実態を確認して訂正できる手順を用意し、必要に応じて給与への反映まで行います。
本人がシステムにアクセスできない場合など、管理者が代理で修正を行う場面もあります。その場合は、本人への確認内容と代理操作の理由を記録し、通常の申請と同じように変更の根拠をたどれるようにします。
代理修正が頻繁に発生すると、手続きの形だけが残るおそれもあります。代理操作の条件と確認者を決めるとともに、発生状況を定期的に点検しましょう。
ここでは、勤怠管理システムの導入にあたってよくある3つの課題ごとに、それぞれオススメのシステムを紹介します。
※引用元:キンタイミライ公式HP
(https://kintaimirai.jp/)
タップすると各機能の説明が表示されます
「時間帯ごとの要員数」と「人件費予算」を同時に確認しながら、シフトの登録・調整を実施
1ヵ月60時間を超える時間外労働について、代替休暇を取得
指定した起算日に基づき、4週4休のチェックを実施し、必要に応じて休日出勤を割り当て
社会保険・36協定・長時間労働に関して、指定したルールに基づきアラート
振替出勤が発生してから指定期間が経過すると、休日出勤の割増賃金対象の時間数として自動精算
その企業固有の集計方法をきめ細かに設定し、集計を自動化
集計結果を含んだ出勤簿をPDF形式で出力
日々の勤務実績に基づく人件費を計算し、締め日を待たずして人件費を把握可能
従業員のマスタ情報を1ヶ月単位で管理できるほか、CSV形式で一括して取得/編集/登録も可能
社員やバイト、パートといった従業員の属性別にカレンダーを設定できるほか、まるめ・集計機能との連動も可能
登録されたシフトに基づいて、遅刻早退を自動で判定
売上や生産高、処理量などの成果を入力し、その成果と勤務実績を対比させて、折れ線グラフで表示
※引用元:ジョブカン勤怠管理 公式HP
(https://jobcan.ne.jp/)
タップすると各機能の説明が表示されます
リアルタイムでスタッフの勤務状況の確認や拠点ごとの勤怠管理が可能
直感的な画面操作で簡単にシフトを申請・作成が可能
出勤管理機能やシフト管理機能と連動し、複雑な休暇管理を簡単に実施
スマホやタブレットでも、打刻・閲覧・各種申請などが可能
スタッフやタスクごとの工数集計やデータ出力・分析が可能
スタッフの勤務状況を自動集することが可能
時間外労働状を一覧で確認でき、36協定超過がある際は自動アラートでお知らせ
画面上の言語は、英語、韓国語、スペイン語、タイ語、中国語(簡体字・繁体字)、ベトナム語への切り替えが可能
医療現場の勤務形態に合わせた運用が可能
※引用元:マネーフォワード クラウド勤怠 公式HP
(https://biz.moneyforward.com/attendance/)
タップすると各機能の説明が表示されます
日次勤怠、勤怠確認、分析レポート、拠点別打刻集計、カスタム自動集計(数値集計)
役職階層、ワークフロー経路、申請ワークフロー、代理申請ワークフロー、受信ワークフロー
異動予約(役職)一覧、異動予約(就業ルール)一覧
有給休暇の自動付与、有給休暇付与予定一覧、有給休暇管理簿
不正な打刻・打刻漏れ、許可されていない打刻、無効な勤務パターン
打刻ごとの丸め設定、出勤・退勤・休憩の丸め設定、勤怠項目ごとの丸め設定、日ごと・月ごとの丸め設定、未申請の丸め設定、シフト範囲外打刻の丸め設定
従業員データ、日次勤怠データ、有給休暇利用実績、休暇付与データなどのインポート
従業員データ、月別データ、出勤簿データ、出勤簿データ、1ヶ月のシフト表、時間帯別のシフト表などのエクスポート
シフト管理、操作権限設定、ワークフロー通知、マネーフォワード クラウド給与との連携
※選定基準:
・キンタイミライ:Google検索「勤怠管理システム」でヒットした55製品の内、本番開発前のプロトタイプ開発および導入後の無料調整を唯一行っているシステムとして選出(2023年5月16日調査時点)。
・ジョブカン勤怠管理:Google検索「勤怠管理システム」でヒットした55製品の内、必要な機能を選んで価格が決まる製品で、機能が200種類と最も多い (2023年5月16日調査時点)。
・マネーフォワード クラウド勤怠:Google検索「勤怠管理システム」でヒットした55製品の内、一元管理できるバックオフィス業務のシステムが最も多い(2023年5月16日調査時点)。
ここでは、勤怠管理システムを乗り換えるにあたってよくある3つの課題ごとに、それぞれどういう基準でシステムを選ぶべきかを解説いたします。
既存のシステムでは自社のルールに合った管理でができておらず、手作業が発生しているなど、今のシステムに課題を抱えている企業もたくさんいらっしゃることでしょう。ホテル、運輸・倉庫、小売り、飲食といった、一般的なオフィスワーカーとは異なる勤務体系の業種に多いようです。
また企業規模が大きくなればなるほど従業員の雇用形態や労働形態が複雑になる上、高いコンプライアンスを求められることから、大企業を中心に既存システムでは対応しきれなくなるケースも散見されます。
上記のような課題を抱えている企業に必要なのは、「高いカスタマイズ性」を持つ勤怠管理システム。既存システムの機能では解決できない以上、自社仕様に機能を開発/調整してもらうほかありません。
このようなシステムを導入するにあたっては、細かいヒアリングを行った後、エンジニアが機能を調整してくれるため、痒い所に手が届くシステムになるでしょう。その分、既存のシステムよりもコストがかかりますが、従業員規模1,000名~といった大企業であれば 費用感は合うはずです。
機能の充実した勤怠管理システムを入れてはみたものの、運用を始めてみるとあまり使っていない機能があることに気が付くケースです。複雑な機能を用いて厳密に管理を行うというよりかは、選び抜いた機能だけのシンプルで低コストなシステムに乗り換えたいとお考えの中小企業も多いでしょう。
従業員からも、管理者からも直感的に使えないとの声が上がったり、実際にエラーが頻出しているケースもあるようです。
上記のような課題を抱えている企業に必要なのは、「機能を選んでコスパ良く使える」勤怠管理システム。「出勤管理機能」「休日申請機能」だけで良い企業もあれば、「シフト管理機能」も欲しい企業もあるでしょう。
企業の規模や労務管理の方法などによって、欲しい機能は異なるのが普通。機能を厳選することで、従業員にとってもシンプルで使いやすく、経営者にとってもコスパの良いシステムとなるのです。
事業の拡大に伴って従業員は増えるものの、労務管理を行う人数は増えていかず、管理する現場では負担が増える一方。既存のシステムでは勤怠とその他バックオフィスシステムを別々に導入しているため、うまく連携できていないという課題を持つ企業もいらっしゃることでしょう。
ベンチャー企業などにおいては、上場を視野に入れてバックオフィス業務を一気に統制していきたいというケースもあるようです。
上記のような課題を抱えている企業に必要なのは、「バックオフィス業務を一元管理できる」勤怠管理システム。「勤怠管理」だけでなく「給与」「会計」「経費」「人事管理」など、複数のバックオフィスシステムを展開しているシステムから、自社が必要なシステムを組み合わせて乗り換えると良いでしょう。
当然連携することを前提に開発されている為「リアルタイムでの数値同期」などで税理士との連携を行いながら、より効率的にバックオフィス業務を遂行することが可能です。